第11回の栽培コンテストもたくさんの方にご参加頂き、誠にありがとうございました。
グラッセ(カボチャ)の「総まとめ日記」と栽培過程を総合的に評価し、
栽培コンテスト大賞1名、タネのタキイ賞4名、
オーレック賞3名、料理賞3名を決定いたしました。
1,2,3本仕立ての比較栽培の様子を詳細に記録、その他うどん粉病耐性の検証や、収穫目安の写真比較なども分かりやすいです。収穫物も3.57kgと大きく、抑制栽培までチャレンジいただきました。
第11回栽培&お料理コンテストへご参加ありがとうございました。
「グラッセ」の栽培いかがでしたでしょうか。タネまきから春の定植、ツルの仕立て、受粉、玉直し、収穫、キュアリング、料理、抑制栽培、ハッピーハロウィンパーティと長丁場お疲れさまでした。うどんこ病の耐病性は十分発揮できたでしょうか。
しかし、流石ナビラーの皆様。きれいな玉でおいしい「グラッセ」をたっぷり収穫いただき、料理も楽しまれていました。うどんこ病耐病性の強みだけでなく、食味については「ほくほく」と「もっちり」の中間で、どんな料理にも程よく適したのではないでしょうか。
限られたスペースを有効に使うために、立体栽培をしたり独自で工夫されていたこと、抑制栽培に取り組まれた方が多いことにも感心しました。うどんこ病耐病性も実感いただき、味も好評で家庭菜園でも自信をもって薦められます。
昨年も猛暑でカボチャにとっては過酷な栽培環境だったこともあり、努力が報われた方、そうでなかった方もそれぞれいらっしゃったかと思いますが、今回の経験とお伝えした栽培ポイントを押さえて今年の大豊作につなげてください!
皆様の力作の投稿ありがとうございました。
栽培コンテストにご参加のみなさん、ありがとうございました!今回のテーマ品種カボチャ「グラッセ」も特長ある品種でしたね。うどん粉病耐病性は過去悩まされてきた方、より違いを実感いただけたのではないでしょうか。他の品種と同時に育てている方もいて、グラッセの魅力をしっかり伝えてくださいました。
今回、晩春から抑制栽培まで長い期間育ててくださった方もいらっしゃいました。受粉作業やトラブル対策等記録は分かりやすく、カボチャ料理は多岐に渡り見栄えも良く、ハロウィンイベントでは美味しそうなスイーツや料理、完成度の高いジャックオランタンが並びました。
ウリハムシの被害にあったり、気候条件が良くなかったりと厳しい状況の時もありますが、菜園ナビではみなさんで質問しやすい環境があります。他の人の記録が参考になり、みんなが育てているならまた、と再チャレンジできるのも栽培コンテストの良いところ。生長の記録は他に育てている人の参考にもなっています。立派でどっしりとしたグラッセを育ててくださって、本当にありがとうございました。
※コンテスト終了後も、本ページより参加者の皆さまの「グラッセ」の様子をご覧頂けます
菜園ナビ運営事務局
ある意味放任で比較的手を掛けなくて栽培できるカボチャですが、ツルが伸びますので面積をとる品目ですね。うどんこ病が入ると瞬く間に葉が一面真っ白となり、枯れるか玉が太るかの競争になります。
もちろん葉が最後まで健全な方が、光合成で生成された栄養素が玉を最後まで充実させますので、食味もぐっと変わってきます。家庭菜園では昨年のような異常な暑さであっても、最後まで健全な葉が日陰となって果皮の焼けを防いでくれたでしょう。実際、カボチャの大産地である北海道でも、夏の猛暑で日焼け果が多発した中、耐病性のおかげで日焼けゼロの圃場もありました。
皆様の投稿を拝見しますと、
① 仕立て方を1本がいいのか2本がいいのか3本なのか、
着果後のつるは放任がいいのか摘芯したらいいのか
② 着果節位の位置、
③ 着果後の収穫までの積算温度
で悩まれるという感じでした。
①についてはそれぞれの菜園の面積やとれる畝の広さなど条件にもよると思いますが、家庭菜園で放任にするなら子つる2~3本仕立てがよいでしょう。「グラッセ」は小づる2本仕立てがベストですが、それぞれの利点は以下の通りです。
●親づる1本仕立て:枝同志の養分の競合がないため最も着果が安定する。抑制栽培は1本仕立てが有利。1本仕立ては15~18節に着果が目安。
●子づる2本仕立て:1本仕立てに次いでつるあたりの着果数が多くなる。不良環境の条件下で3~4本仕立てより有利になる。「ほっこり133」のような粉質の高い品種は、2本仕立ての方が品質のよい果実になる。
●子づる3本仕立て:子づる仕立ての整枝栽培では3本仕立てまでとします。4本仕立て以上は、同時着果性が本数増加に応じ減少します。
子づる仕立ての場合は、摘芯のタイミングは、本葉が5枚開いたころ、本葉5枚残しで生長点を摘み取り、脇芽を伸ばして2~3本仕立てとします。その後、各つるから出てくる脇芽は、株元から10節目くらいまで小さいうちにかき取ります。
②着果節位の位置ですが子つる3本仕立ての場合、8~15節に着果させて、それまでの雌花はとるようにします。
③積算温度はどの作型でも1000℃ほどが目安です。春、初夏まきでは果実の登熟期での気温が高いので着果後45日前後が積算1000℃に近くなりますが、抑制栽培では果実の登熟期が秋の深まったころになりますので気温が低く、その分1000℃に達するには日数がかかります。着果後60日ほどを目安に収穫ください。積算温度1500℃になると収穫期をかなりすぎています。収穫していなくても1000℃を超えたころから果実の老化は始まっており、収穫後すぐに腐ってしまうリスクは高くなりますので、適期収穫を心がけましょう。
今回、「グラッセ」の栽培にチャレンジ頂きましたので、上手に栽培するとっておきのポイントをお伝えします!
カボチャは肥料の量で作のよしあしが大きく左右されます。多すぎても少なすぎても思うようにできません。チッソ成分100g(10㎡)が目安なので、面倒でも計算して肥料の量を調整してみましょう。
この時期に水と養分が十分にあると大玉になります。萎れないようしっかり水やりすると同時に、化成肥料を株あたり一握りほど追肥しましょう。
作型はトンネル、露地、露地抑制まで対応可能です。
うどんこ病耐病性は完全抵抗性ではないため、発病状況によっては薬剤防除が必要です。
※風乾:風や外気にさらすなどして、自然乾燥させること
※キュアリング:作物を一定期間高温多湿の条件下に置いて乾かし、コルク層を形成することで、収穫時にできた傷口をふさぐこと。
収穫適期は、果梗部で判断します。縦割れしたコルクに横割れが入り始めれば、収穫の目安です。本品種は果梗部の色が薄いため、色での判断には向きません。
また、うどんこ病に強いため、葉が健全な状態で収穫期を迎えますが、収穫適期は交配後45~50日を目安とし、むやみに収穫を遅らせることは避けましょう。遅れて着果した場合は、必ずコルクの割れで収穫を判断します。