秋冬の鍋シーズンに重宝するシュンギクの、葉形や草姿から区別される品種の特長から、栽培のコツ、おすすめの品種までご紹介します!
--------------------------
地中海沿岸地方が原産地といわれる
シュンギクですが、野菜として活用するのは中国や日本および東南アジアになります。
品種は葉形や草姿から区別され、
葉形では小葉種・中葉種・大葉種に、草姿からは株立ち型と株張り型に区別されています。
小葉種は収量が上がらないので栽培はなく、中心となる
中葉種は葉に切れ込みがあり、突出部も太く葉肉も厚くなります。中葉種でも関東では関西より葉の切れ込みがやや深いなど、葉形に幅があり中間タイプの品種も見られます。
大葉種は丸葉で葉の切れ込みは少ないが葉肉は厚く多収となり、中国地方以西、九州で栽培されています。
草姿は主に主枝の節間伸長性と分枝性の程度によって区別されます。特に中葉種では株立ち型と株張り型に区別され利用されています。
株立ち型は節間伸長性が強く、株張り型より分枝が多く、主に摘み取り栽培に使用されます。
株張り型は主枝の節間伸長がほとんどありません。葉の切れ込みは株立ち型よりやや浅く、葉が長く伸びる品種が多くなります。主に株ごと収穫する抜き取り栽培に使用され、株立ち型よりは収穫までの在圃期間が長くなります。
利用は鍋シーズンの
晩秋から初春にかけての秋まきが主体です。緑黄色野菜としても優秀なので、サラダやおひたし、あえ物など日々の食卓で楽しみたいですね。
秋まき栽培は9~11月に播種し、11~3月に収穫する作型です。家庭菜園でのおすすめは、長期収穫して楽しめる
摘み取り栽培です。
摘み取り栽培は播種後40~60日で主茎収穫が始まり、トンネルやハウスなど長ければ3カ月以上にわたって収穫します。そのため
草勢維持が栽培のポイントとなります。
まずは
発芽です。他の野菜より発芽率が低いので、
浸漬処理をしてまくか、少し多めにまきましょう。好光性種子のため
覆土は薄めにしますが、土の乾燥にはご注意ください。発芽まで
寒冷紗等で被覆すると乾燥防止にもなり効果的です。なお多肥にすると発芽不良を生じますから注意しましょう。
播種は9月中旬から10月ごろが適当です。雑草防止と品質向上を兼ねて黒マルチをするとよいでしょう。
定植の場合は播種後30日前後の苗で本葉5枚時の苗が適当です。長く良質な分枝の発生を促すため栽植密度は広めにとってください。株間20×20㎝、1㎡当たり25株程度が目安です。
収穫は主茎が25㎝以上になった時、3~4節(葉)を残して収穫します。2回目は15日ほどして一次分枝が20㎝を超えたころ、2節(葉)を残して収穫します。3回目も15日間隔で二次分枝を同様に収穫します。順調にいけば、種まきから70日くらいで3回の収穫ができるでしょう。4回目以降収穫を続ける場合には、低温に強いというわけではないので夜温が5℃を下回ればトンネル被覆が必要です。
追肥は1回目の収穫後から随時行ってください。
代表的な摘み取り種で中葉の
「きわめ中葉春菊」
丸葉系の大葉種
「菊之助」
切れ込み葉で中葉種の
「菊次郎」は株とり種
(タキイ種苗さんよりご寄稿)
--------------------------
摘み取り栽培は長く畑に置け、秋冬楽しめます。収穫時期と何節残して収穫するかに気を付けて、様々な調理法で味わいたいですね!