オレンジクインが誕生してから、なかなか日の目を見なかった不遇の時代…そして令和の今、注目される理由とは?
---------------------------
みなさん
オレンジ白菜をご存じでしょうか。
2019年秋の「栽培コンテスト」で取り上げた品種なので、コンテストにご応募いただいた方を中心にナビラーのみなさんにはすでにおなじみの品種かもしれません。

あらためてご紹介する
「オレンジクイン」は
球内色がオレンジ色の白菜です。フルーティーな色合いのオレンジ色は見た目にも映え、新鮮に感じますよね。ところがこの品種が発売されたのは、1990年に発売され、今から30年以上も前でした。
【発売当時は不遇】
皆さんは白菜をご家庭で食べますか? 冬はミルフィーユなど鍋の具材に、あるいは漬物のキムチでというのが定番ではないでしょうか。


昭和の時代の白菜は、食卓に欠かせない野菜でした。大家族で囲む鍋、漬物も家庭でつけるのが当たり前。白菜は野菜の主役でした。
しかし、米飯からパン食への変化や減塩志向で家庭消費が変化。家庭においては量を求められなくなり、産地の高齢化もあって重量野菜である白菜は作付けが徐々に減少して行きました。
平成に入ると、ひと玉購入する世帯が減り、2分の1でのカット販売が増えてくると、見栄えのよい球内色が鮮やかな黄色の黄芯白菜が中心となりました。
「オレンジクイン」が発売されたのは消費が切り替わる
平成元年。「オレンジクイン」は黄色を飛び越えて、おいしさと栄養も加味したのです。すなわちオレンジ部は柔らかくほんのりした甘みがあり、鍋で煮炊きした時の食味は絶品です。栄養面ではオレンジ色素に含まれるカロテンと、黄芯にはない、吸収のよいリコピン成分の「シスリコピン」を含んでいたことがのちに判明します。
当時まだ機能性成分は世に知られていませんでした。ところが市場は黄芯に変わりましたがオレンジにはいきませんでした。まだ、昭和の名残が色濃く、やわらかいオレンジクイン業務加工では歩留まりが上がらず、LED照明が普及前の時代、当時の照明下では断面のオレンジ色が、日にちが立って鮮度落ちした褐色に見えると敬遠されたのです。市場は黄芯への変化で止まったのです。
【令和時代、売れています!】
しかし、
サラダでも食べられるほどの柔らかさと甘みがある「オレンジクイン」は、自家菜園や契約栽培を中心にじわじわと売れていきました。

直売所でも人気で、リピーターがつく品種です。生鮮野菜売り場では2分の1カットでの販売から、4分の1カット販売になり、フィルム包装技術や見せる売り場づくりも進んで、オレンジの露出部分が増えました。
さらにLED照明の普及は、本来のオレンジ色が色あせることなく売り場で映え出したのです。消費者にはおいしさだけでなく野菜の機能性についての認識も高まってきました。
「オレンジクイン」は、令和時代ついに力を発揮できた古くて新しいハクサイです!未経験の方は、ぜひ秋の自家菜園用で栽培ください。
タキイ品種カタログ オレンジクイン
【上作のポイント】
◆肥培管理
オレンジクインは普通ハクサイよりチッソ要求量が多い品種です。チッソが少ないと肥大が鈍く小玉になるうえ、オレンジ色がのりません。かといって、追肥が多すぎたり、遅効きさせてもオレンジ色が抜けることがあるので注意です。
・元肥はやや多めに施してください(通常の1.2~1.3倍くらい)。
・追肥も忘れずに2回施してください(目安は定植後7~10日目と21~25日目)。
◆害虫対策
・甘みがあって柔らかい品種だけに虫がつきやすいのが弱点です。家庭菜園だと農薬はかけたくないですよね。ここは
「サンサンネット」などの防虫ネットの出番です。虫がつく前にトンネルでおおってしまいましょう。
・高温期の害虫を避け、ぎりぎり播種期を遅らせる場合ですが、あまり遅まきすると太り切れません。下手すると結球し切れないことにもなります。基本は年内どりの品種ですから、欲張りすぎずに暖地の場合でも9月10日までには播種、9月中には定植したほうが無難です。
ハクサイの種一覧|種・苗・球根・園芸用品・農業資材の通販サイト【タキイネット通販】
(タキイ種苗さんよりご寄稿)
--------------------------
第5回栽培コンテスト のテーマ品種となったオレンジクインは何といっても、芯の綺麗なオレンジ色が目を引きます。その甘さ故か、虫にも狙われやすいのに気を付けなければいけませんが、ぜひ今夏~秋にチャレンジして、その甘さ、柔らかさを味わってほしいです!
これからオレンジクインを育てる方はぜひ、
菜園ログで検索してみなさんの栽培の様子を覗いてみてください♪参考になる日記が見つかるはず!
そして現在、
第10回栽培&お料理コンテスト種プレゼントご応募受付中です♪お申し込み、詳細は下記ページをご覧ください!
2022/7/8 第10回「三太郎」&「紅三太®」栽培&お料理コンテスト募集開始!!
