これからゴールデンウィークですが、この時期から夏にかけて播種するのに、オススメの葉物を数種ご紹介します。ぜひ参考にされてください!
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温暖化の影響か、年々暑くなる夏-35℃を超える猛暑日が当たり前になってきました。
家庭菜園では、「春の果菜も、お盆を待たずに暑さや豪雨による病気で栽培が終わってしまった…秋の栽培には暑くてまだ早い。」こんな時、夏に強い葉物としてコマツナが思い浮かびますが、他にも
夏に強く、ひと月程度で収穫できるこんな葉物はいかがでしょうか。
タキイ育成「べんり菜」
べんり菜と名付けられたこの葉物は、
チンゲンサイとコマツナの両特性をもつ葉物として、1987年に発売された葉物です。

草姿はコマツナに似ますが、
葉は濃緑でつやがあり肉厚で、葉柄はコマツナより太くやや長めとなりますが、尻張りはチンゲンサイほど大きくありません。草勢が旺盛で耐暑性はもちろん耐寒性もあり晩抽性で根が太く直根性で乾燥や湿害に強い特性があります。播種後収穫までの生育日数は夏まき栽培で30日程度です。
さて、なぜ「べんり菜」なのか。それは短期間で収穫するにはコマツナ的に利用し
、若干日数をかけた中株では細めのチンゲンサイとして楽しめます。大株にすれば野沢菜的に使用したり、春先にトウが立ってくれば苔菜として利用できるなど何かと家庭菜園で便利な葉物です。茎、外葉とも繊維分が少なく柔らかいので、おひたしや油炒めに一夜漬けなどさっぱりした風味を楽しめます。
タキイ品種カタログ べんり菜
タキイ交配「ちょうほう菜」とちぢみ菜「みそめ」
べんり菜から遅れること2年、1989年に発売された葉物が「ちょうほう菜」と「みそめ」です。
「ちょうほう菜」は生育旺盛で耐暑・耐寒性があり、盛夏期でも節間が間延びしません。草姿はコマツナとタアサイの中間形状で葉は光沢のある肉厚丸葉です。夏どりで25日程度、収穫期に入ってからの伸びは比較的ゆっくりしています。
タキイ品種カタログ ちょうほう菜
「みそめ」はコマツナとタアサイの中間タイプの葉物で、葉面がチリメン上になります。葉色は極濃緑で照りがあります。耐暑・耐寒性をもち、盛夏期の栽培で25日程度で収穫できます。

こちらも収穫に入ってからの伸びは比較的ゆっくりで、多少取り遅れても慌てなくていいでしょう。どちらも漬物、お浸し、炒め物や汁物、煮ものにもいいでしょう。
タキイ品種カタログ みそめ
「ちょうほう菜」はタアサイの形質も持っているので油いためやシチューにも適します。どちらも耐暑性と病気にもある程度強いので、高温期の葉物におすすめです。
耐暑性のある葉物でスタンダードなのが中国野菜のチンゲンサイです。

ところで,チンゲンサイが昭和の後半日本に入ってきた当初は、葉柄が淡い緑色の「青梗パクチョイ」と呼んでいました。これとは別に、
軸が純白色の「パクチョイ」があります。前者は多汁質で株張りがよく、後者は体菜(シャクシナ)よりも厚みがあり歯切れがよいのが特徴です。
タキイ品種カタログ パクチョイ
その後、日本で改良されたチンゲンサイは早期抽苔を防ぐ点から比較的冷涼な気候を好むタイプ多くなり、
高温期においても品質を落とさない耐暑性に優れた品種として改良されたのがタキイ交配「長陽」です。
タキイ品種カタログ 長陽

中国野菜の中でも私たちの味覚に合い葉物に「エンサイ(エンツァイ)」があります。

こちらは中国南方の温暖かつ高温な土地が原産の野菜で高温多湿の夏に向いています。
外皮が硬いので浸漬処理して芽切をした方が発芽はよいでしょう。5月2日前後に畑の空いたところやプランターに播種しておけば50日ぐらいで草丈10~15㎝、本葉が4~5節となり収穫できます。葉はサツマイモの形に似ていますが軸は空洞で竹の節のように区切りがついていますので、必ず軸の下部1~2節を残して切り取り食用します。
収穫後は液肥などを施していると脇芽が伸長し、第2回目の収穫が約30日後に行えます。さらに今度は脇芽の第1節を残しておくと第3回目まで良質のエンサイをいただけます。
タキイ品種カタログ エンサイ
(タキイ種苗さんより寄稿)
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これからどんどん気温が上がっていきますが、この時期こそぜひ育てていただきたい葉物、気になる品種はございましたか?
家庭菜園でぜひチャレンジしてみてくださいね★