仕立て、という栽培技術が一般的になったのは農業的に実を大きくするのが重要だからではないか、と前回書いたのですが、なんだかあまり説得力がない気がします。
ちょっと思いついたのは、脇芽を伸ばして、そこに大玉トマトが実を付けると、枝が重さに耐えられなくなって折れるから、という理由です。真っすぐにぶら下げるなら大丈夫なのですが、脇芽は横に横に伸びようとしますし、枝自体ははそんなに丈夫ではありません。そこへビーフステーキトマトみたいな一玉300g以上になるようなトマトを数玉付ければ、枝がへし折れるというのもありそうです。ですが、所詮はただの思いつきなので確証がない。そこで、まるごとわかるトマト、田淵俊人著という本を買ってみました。
基本、農業目線の本で、連続摘芯など割と新しめな栽培技術も書いてあり、色々と勉強になる本ではあります。ただ、仕立て(整枝)については、やるのが当たり前で、なぜしなきゃいけないかの理由は見当たりませんでした。中玉トマトやミニトマトの栽培についても、大玉トマトの栽培に準ずるとあって、素気がないです。
ですが、機械収穫用トマトの記述は参考になりました。機械で収穫するためには、支柱は邪魔です。なので、トマトが支柱なしで自立出来るような、矮性で茎が十分に太い品種であることが重要です。心止まりで、主茎の成長が止まった後は脇芽が伸びて、実を付けると記述にあるので、特に脇芽かきもしないようです。しかも、脇芽から伸びた枝に果房が付いて大量の果実を収穫することができる、とあります。これは果実の重みを支えることさえ出来れば、放任栽培でも問題はないという傍証になっていると思います。