4月7日、公式イベントin関西「楽しく学ぼう!第1弾in関西」で、肥料メーカー
ハイポネックスジャパンの塩田先生に
「植物にとって肥料とは?」と題して講座を行っていただきました!
そもそも「植物」というのは何を指すのか?という問いから、どのように肥料を菜園ライフに活かすのかというお話まで、30分間があっという間に感じられる講義となりました。
講義のなかで、まず塩田先生は植物と動物との違いをお話しされました。動物はエサを求めて歩き回りますが、植物は自分で動き回らずに、身の回りにある栄養を吸収して成長する点で区別できるというお話に、「言われてみればたしかに!」と納得しました!
その植物にとって「人間が与える肥料」とは
①「植物」の栄養分(ごはん)
②「植物」が植えられている「土壌」を 改良し、「植物」の生育を良くするもの
という二つの役割を果たします。
もう一つ、受講したナビラーの皆さんもちょっと驚いた顔をされていたのが、塩田先生のおっしゃった、「植物は、光、水、空気、温度 があれば生存できる。→ 肥料がなくても植物が枯れて死んでしまう事は(基本的に)ない」というお話です。
しかし、ナビラーの皆さんが野菜を育てるのは、収穫した作物を美味しく食べたいという思いがあってのことだと思います。
肥料は植物の持つ力をさらに引き出し、収穫の喜びを大きくするのに欠かせないサポート役ということですね!
次に、塩田先生は『有機肥料』と『無機肥料』の違いについてお話しされました。
『有機肥料』とは?
動植物の有機物を醗酵させたもの。施肥後、土壌微生物によって無機化分解され、植物に吸収される。
例: 魚かす、油かす、骨粉、カニがら、草木灰、牛ふん、鶏ふん、 たい肥、米ぬか、生わらなど
『無機肥料(化学肥料)』とは?
化学的処理により製造される肥料。
例:空気中の窒素で尿素を精製(N2 → アンモニア → 炭酸ガスと反応→尿素)
例:採掘したりん鉱石に硫酸を処理し、植物に吸収しやすくする(りん鉱石+硫酸→過りん酸石)
有機肥料に持つ印象として、安心や安全、土中の微生物を活性化させ土を肥沃にする、その反面、肥料そのものの臭いが特徴的であったり、事前に畑にすき込んでおくなどのコツが必要となる、肥料が効き始めるまでに時間がかかる、などがあると思います。
また、無機肥料(化学肥料)は、使い方が比較的簡単で効きも早く、気になる臭いも少ない、しかし、科学物質ということで少し不安に感じたり、連続で使用すると土が痩せる、などといった印象を持たれている方も少なくないでしょう。
それでは果たして
『有機肥料』と
『無機肥料』、どちらが優れているのでしょうか?
塩田先生は
「どちらかが優れているというわけではない」とおっしゃいます。たとえば、土を肥沃にして育てたい場合は『有機肥料』、肥料をすぐに効かせたいときは『無機肥料』というように、それぞれに長所と短所があり、場面や目的で『有機肥料』と『無機肥料』を使い分けることが重要だということです。
そもそも『有機』や『無機』は人が決めたことであり、植物からしてみれば肥料が吸収できればどちらでもかまわないとのこと。有機・無機にこだわらず、適切なタイミングで適切な肥料を使ってあげることが植物にとっても一番良いんですね!
植物にとってベストなタイミングで、ベストな選択の肥料を与えてあげるのが最も効果的ですが、100%完璧というのはなかなか難しいものです。
「100%の施肥を目指さなくてもいい、0%を避けてあげればいい」
塩田先生はこう話されました。植物は自分の足で歩いてエサを掴むことはできません。しかし、与えられた肥料分を元に自分でやりくりする力があります。そのために、肥料のラベルに書いてある施肥量を「目安」に肥料を与えてくださいとのことでした。
「あなたはなぜ園芸をしているのですか?」
塩田先生は講義の最後に私たちにこう問いかけられました。
「おいしい野菜を食べたいから」
「家の周りや家の中を植物で飾りたいから」
「人に見せたい、見てもらいたいから」
「栽培を極めたいから」
「育てる感動を得たいから」
その答えは家庭菜園や園芸を楽しむ方ひとりひとりで異なるでしょう。しかし、その根底にある「栽培を成功させたい」という想いは誰もが同じはずです。
そのためにも肥料を適切に使って植物を元気に育て、そこには苦労もありますが、「感動」と「満足」そして「収穫物」を得るために、自分の「ライフスタイル」に合った園芸を楽しみましょう。塩田先生は、そう講義を締めくくられました。
【講義のまとめ】
・『有機肥料』と『化成肥料』どちらにも長所と短所がある。
・使用目的や使用場面に適した肥料を使う。
・『有機』も『無機』も植物からすればどちらでもかまわない。
・100%の施肥じゃなくても、0%でなければいい。
・自分のライフスタイルに合った園芸を楽しもう。